BTBD3が効率的な神経ネットワークを形成
動物はその生息する環境に適した感覚を利用しています。たとえば肉食動物は「視覚」、ネズミは「触覚」、そしてコウモリは「聴覚」を頼りに、餌をとったり、敵から逃げたりします。理化学研究所脳科学総合研究センター（BSI）の下郡智美チームリーダーらは、このような外界からの感覚を脳に効率よく伝える神経ネットワークの形成に欠かせない分子を発見しました。米科学誌『Science』に掲載されたこの研究によって、BTBD3とよばれるタンパク質が、マウスとフェレットの大脳皮質で神経細胞の形やその方向を決めており、このBTBD３の働きによって、動物がより効率的な神経ネットワークを形成する仕組みが明らかになりました。
論文情報
Asuka Matsui, May Tran, Aya C. Yoshida, Satomi S. Kikuchi, Mami U, Masaharu Ogawa and Tomomi Shimogori. "BTBD3 Controls Dendrite Orientation Toward Active Axons in Mammalian Neocortex". Science, 2013. doi:10.1126/science.1244505