理研BSIニュース No.23(2004年2月号)

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トピックス


RIKEN BSI RETREAT 2003の開催

RIKEN BSI RETREAT 2003の開催

緑豊かな森林公園ホテルヘリテージ研修施設で、2003年10月27日(月)~29日(水)の3日間にわたり、RIKEN BSIリトリートが開催されました。


リトリートは、お互いの研究成果や研究内容について、研究室の枠を取り払い、隣の研究室や異なった分野の研究者同士が打ち解けた雰囲気の中で議論や建設的な批判をするためのもので、北米やヨーロッパの大学や研究機関では一般的に行われています。


BSI リトリートは今回で6回目をむかえ、RIKEN-MITセンターの参加者を含めて、総勢330名の研究者が一堂に会しました。特別講演やポスターセッションなど、3日間にわたり活発な質疑応答や議論が展開されました。このBSIリトリートからこれまで数多くの斬新なアイディアがうまれたり、新しい共同研究が芽生えたりしています。


今後もBSI リトリートを通して分野を超えた知的交流を促進していくことで、脳を「知る」、「守る」、「創る」、「育む」、「先端技術開発」という多岐にわたる研究領域をもつBSIの特徴をいかした、脳科学の総合的な発展に貢献する成果を生みだし続けていきたいと考えております。



甘利センター長C&C賞受賞

甘利センター長C&C賞受賞

2003年11月20日、甘利センター長は財団法人・C&C振興財団よりC&C賞を受賞しました。C&C振興財団は、1985年に設立され法人で、情報処理技術と通信技術の融合する分野(Computers and Communications-C&C)における開拓・研究活動に対する奨励および助成活動を通じて、世界のエレクトロニクス産業の一層の発展を図ることを目的として顕彰事業や研究助成などを実施している団体です。顕彰事業は毎年行われこれまで内外を問わず著名な方々が選ばれています。


今回の受賞は、甘利センター長の「ニューロコンピューティングおよび脳の数理情報科学への先駆的かつ指導的貢献」が認められたことによります。



RIKEN BSI-スウェーデン共同シンポジューム

RIKEN BSI-スウェーデン共同シンポジューム

脳科学は人間にかかわる21世紀の総合的な科学です。理研脳センターではこれを幅広く捉え、学際的かつ国際的な研究を世界の第一線で推進しています。


スウェーデンでも、理研の方針に学んで脳を創る領域の研究、すなわち実験を基にする神経科学と理論脳科学とを融合する計算論的神経科学に力を入れだしました。脳科学の分野で国際的に著名なカロリンスカ研究所のSten Grillner教授の申し入れで、当脳センターとスウェーデンとの共同のシンポジュームを開催し、脳を創る領域の方向を共に探りながら、両国のこの分野での研究を交流する運びとなったのです。


2003年の12月1日から12月3日の3日間、理化学研究所において、6名のスウェーデンの研究者を迎えてシンポジュームは開催され、日本側からは甘利センター長をはじめとする、脳を創る領域を中心とするチームリーダー、副チームリーダー、研究者が多数集い、活発な討議が行われました。


日本側は、実験に直結した計算論的神経科学から、ロボットを用いた脳機能の解明、脳の信号処理など、工学や数理科学にわたる広い範囲の発表を行いました。一方、スウェーデンからは、よりミクロな細胞の情報機能の理論、運動回路のシミュレーション、記憶のモデル、歩行のモデルなど、生物のデータをもとにした理論の構築とシミュレーションが発表されました。


これに続いて、翌12月4日には、臼井支朗チームリーダーの主催する理研シンポジューム「視覚系のニューロインフォーマティクス」が開催され、スウェーデン研究者はこれにも参加して交流を深めました。


この成功をもとに、カロリンスカ研究所と理研BSIとは、将来にわたってより広い分野で交流を深めていく意向です。



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