動物モデル
精神疾患の動物モデルには、動物の脳機能と人間の「精神」を同一水準で論じることができない難しさがあります。しかし、うつ病についてはうつの症状が行動の減退という形で動物に再現されやすいこともあって、いくつかのモデルが昔から使われています。あるモデル(テスト)を
A とすると、テスト A に感受性の高いマウス種 F0-A と感受性の低い(耐性のある)マウス種 F0-B を見つけ、それらを親にして孫の世代(F2)を作ると、F2の個体は
F0-A と F0-B の遺伝子を様々な割合で持ち、テスト A に対する感受性も様々となります。 実際に500匹以上の F2を作り、表現型(テスト A に対する感受性)を調べたのが図4です。F2の各個体を全ゲノムスキャンし、表現型と対応させていくことによりテスト
A に対する感受性を支配している遺伝子の位置がわかります(QTLマッピング)。このような動物からのアプローチも取り入れ、人間で「うつ病になり易さ」に関係している遺伝子の手がかりを得ることも模索しています。
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図4 2系統のF0(F0-A,F0-B)マウスおよびF2マウスの表現型の分布
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