RIKEN's New Research Center for Brain Science: 脳神経科学研究センター(理研CBS)ウェブサイト

RIKEN BRAIN SCIENCE INSTITUTE (理研BSI)

赤ちゃんのことばの獲得から脳とこころにせまる



2011年度 理化学研究所 科学講演会 人類社会と科学~脳とこころ~(2011年11月26日開催)
馬塚 れい子(言語発達研究チーム チームリーダー)

言語は、人間が持つ最も高度な認知スキルだと言っても過言ではありません。にもかかわらず、赤ちゃんは生後2、3年の間に特別な訓練をしなくても自然に言語を獲得してしまいます。この時期の赤ちゃんは、記憶や処理のスピードなど学習に必要だと考えられているほかの認知スキルはまだまだ未発達です。このことから、赤ちゃんがことばを学ぶときの学習は、ほかの領域の学習とは少し違った学び方をしているかもしれないと予想されます。本講演では、特に生後1年ぐらいの間に赤ちゃんがどのようにして周りの大人が話す言葉の特性を学んでいくかを探求する研究の最前線を紹介し、赤ちゃん研究からどのように人のこころに迫るかについて議論したいと思います。