理化学研究所脳科学総合研究センター(理研BSI) 理研BSIニュース No.11(2001年2月号)



BSI 設立3周年記念国際シンポジウムの開催

シンポジウムでの講演会
 去る2000年11月30日と12月1日の2日間にわたり、BSI 設立3周年記念国際シンポジウムが開催されました。  1日目の東京新橋ヤクルトホールにおける一般 向けシンポジウムでは、冒頭で大島科学技術庁長官および有馬参議院議員より祝辞が述べられ、また英国貿易産業省科学担当国務大臣セインズべリー卿および米国マサチューセッツ工科大学ベスト総長より BSI の3周年を祝福するメッセージが寄せられました。引き続いて伊藤所長及び脳科学の最先端に位 置する海外からの4人の研究者の講演が同時通訳システムにより行われ、一般の参加者も脳科学の最新情報に触れることができました。参加者は約400名でした。  2日目の理化学研究所大河内ホールにおける学術シンポジウムでは、海外から招聘した3人の研究者および BSI の3人の研究者による講演が、英語により行われました。参加者は約200名でした。  両日とも脳科学に関心を抱く各界からの参加者たちが熱心な姿勢で聴講していました。引き続き、2000年7月に全面 完成となった中央研究棟において、当日オープンした展示室「Brain Box」の公開および一部研究室の見学が行われ、盛況のうちに一連の記念行事を終えました。
●海外より招聘した講師の先生方  (講演順、敬称略)
・1日目 アメリカ カリフォルニア大学サンフランシスコ校副学長 ザック・ホール
  アメリカ ソーク研究所教授 フレッド・ゲイジ
  イタリア パルマ大学教授 ジアコーモ・リゾラッティ
  アメリカ カーネギーメロン大学教授 ジェームズ・マクレランド
・2日目 ドイツ マックスプランク神経生物研究所教授 イブス・バルデ
  スイス チューリッヒ大学教授 マーティン・シュワブ
  イギリス 王立医科大学神経遺伝学部教授 チャールズ・ワイツマン
展示室「Brain Box」オープン
Brain Box 内

 去る2000年12月1日、BSI 中央研究棟1階に展示室「Brain Box」がオープンしました。Brain Box は脳科学の研究をより広く理解してもらうことを目的とした体験型展示室として開設されました。  Brain Box の展示品には、BSI の研究室が作成した作品がいくつかあります。その一つは、認知機能表現研究チームが作成したプログラム「脳の断面 」です。これは fMRI 装置によって計測、画像化された脳の断面を立体的に再構築し、70インチスクリーンで見ることができます。  また、すべてのものが30度ずれて見えるプリズム眼鏡をかけてバスケットリングにシュートを打つ「フープナイトメア」など、展示品の一部はサンフランシスコの体験型展示室として有名なエクスプロラトリウム博物館から購入したものです。今後、BrainBox を一般の皆さんに公開する予定です。その際には是非ご覧下さい。
第3回RIKEN BSI RETREATの開催
リトリートでのポスター発表
 去る2000年9月18日から20日の3日間、大磯国際会議場において、RIKEN-MITセンターからの参加者を含む BSI のメンバー約300名が参加して、第3回RIKEN BSI RETREATが開催されました。リトリートは、日常の研究現場を離れて、異なる分野の研究者同士がフランクな議論や建設的な批判をし合う中で、相互の知的触発を目指して行う集会で、米国や欧州では盛んに行われています。  リトリートは今年で3回目を迎え、内容もますます充実してきました。従来の新規チームの紹介発表、約250のポスター発表に加え、異なる研究分野の交流を促進するための教育講演も行われ、異分野の研究者間で、夜遅くまで活発な議論が展開されました。また、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)からの講演を含む3つの特別 講演も行われました。UCSFからは M. Merzenich 教授を迎えました。BSIからは田中啓治グループディレクターがUCSFのリトリートに招待されています。  今後も、BSI における、脳を知る、守る、創る、先端技術開発という多岐にわたる研究分野間の相互理解を深め、インタラクションを促進することにより、BSI が世界一流の脳科学研究所へと発展し、より多くの成果を生み出せるようにしていきたいと考えています。

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