理研BSIニュース No.37(2007年10月号)

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トピックス


RIKEN-MIT Neuroscience Research Centerの研究レビュー委員会を開催

マサチューセッツ工科大学(MIT)の RIKEN-MIT脳科学研究センター(RIKEN-MIT Neuroscience Research Center(RMNRC)、センター長:利根川進教授、所属6研究室)の研究レビュー(評価)委員会が、2007年5月14日~15日の2日間、開催されました。委員会は、米国ソーク研究所のステファン・ハイネマン教授を委員長とする6人の委員で構成されました。グループ全体についての評価結果(概要)は以下のとおりでした。

委員会は、理研とMITの共同研究は双方にとって、さらには日米の科学協力にとって大成功であったとの結論を下した。この結論は、影響力が大きく世界最高峰の専門誌に掲載された多数の論文からも裏付けられている。RMNRCの研究者は、NIHの補助金制度の研究の対象となりにくい研究を目標として、インパクトとリスクがともに大きい発見・研究を行ってきた。この共同研究によって、脳機能研究のための新しい遺伝子技術が開発されたことも重要である。これらの遺伝子技術は、MITの多くの研究で用いられ、RMNRCとMITのピカワー学習・記憶研究所(The Picower Institute for Learning and Memory(PILM))の多くの研究者が、研究を次のレベルに進めようとしている。理研の科学者はMITの共同研究の恩恵を受け、理研では日本国外との連携がさらに強化されている。

利根川教授は、科学と実務の両面でリーダーシップを発揮して、記憶、学習、新規性と報酬の探知などの認知および脳病理に関わる脳の機能に研究の焦点を絞り込んだ。また、PILMに優秀な若手研究者を多数採用し、研究室の新設に尽力した。



理研-MIT若手ワークショップを開催

2007年5月29日、BSIとマサチューセッツ工科大学(MIT)双方の若手研究者のレベルアップを図る「RIKEN-MIT若手ワークショップ」が、MITのピカワー学習・記憶研究所(PILM)で行われました。

BSIからは、脳統合機能研究チームの谷藤学チームリーダー(TL)と分子神経形成研究チームの古市貞一TLが、PILMからはLi-Huei Tsai TLと林康紀TLが講義を行いました。「小脳発達の理解のために」など関心の高い講義テーマであり、加えて参加者は講義内容を貪欲に吸収しようとする意識が強かったため、講義中、活発な質疑応答が行われました。

その後、BSIからの研究者は、PILMの3つの研究室を訪問し交流を深めました。



The Picower Institute Annual Retreat 2007を開催

2007年5月30日~6月1日の3日間、マサチューセッツ州のNorth Falmouthにおいて、ピカワー学習・記憶研究所(PILM)のリトリートが開催され、BSIからも10名の研究者が参加しました。

PILMの全11の研究室から各1名、研究代表者(PI)や大学院生により幅広く研究内容の講演が行われたほか、ポスターセッションも行われ、総勢約 120名の研究者、大学院生などが参加し、活発な質疑応答、ディスカッションが連日、繰り広げられました。BSIの参加者からは、「若手研究者の講演の中には、PIに引けを取らず発表内容のレベルが極めて高い研究者もおり、世界には優秀な若手研究者がいることに影響された」と語り、BSIの研究者とMIT の研究者らと親交を深める、絶好の機会となりました。

また、BSIからの研究者と、PILM所長のMark Bear教授と利根川進教授との会談の時間が設けられ、世界の第一線で活躍する著名な研究者との時間を通じ、今後の研究活動に向け貴重な経験となりました。



理研BSI-オリンパス連携センター開所

2007年6月1日、理研BSI-オリンパス連携センター(理研BOCC)が開所しました。理研BOCCは、理研と日本を代表する光学機器メーカーであるオリンパス株式会社による共同研究拠点であり、理研として初めて企業名を付した組織です。連携センター長にはBSIリサーチリソースセンターの板倉智敏グループディレクターが、副連携センター長にはBSI先端技術開発グループの宮脇敦史グループディレクターが就任(兼任)しました。また、オリンパスから2名の技術者が派遣されています。

理研BOCCは、今年2月に新しく理研で制度化された「産業界との連携センター制度」に基づき設置されました。理研とオリンパスが互いに持つ研究資源を享受し合いながら、中・長期的な視野で次世代のライフサイエンス研究に貢献する場として機能します。具体的には、共有可能な光学機器および関連技術の開発を行うほか、バイオイメージング機器の操作・観察に関する支援します。さらに、ワークショップや所内外向けのシンポジウムを開くなど、バイオイメージング技術の普及にも力を入れていく予定です。


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