今年3月、脳科学東研究棟地下1階の脳機能ダイナミクス研究チーム(Andreas A. Ioannides チームリーダー)に脳磁図(magnetoencephalo-graphy: MEG)装置が設置されました。
MEGは、見る・聞く・考えるといった正常な脳の活動によって発生する微弱な生体磁気を測定します。MEG によりミリ秒単位の高い時間解像度と高い空間解像度(少なくとも脳の表面に関しては1cm以内)で脳の活動を研究することが可能です。
脳の発生する地磁気の10億分の1程度という微弱な磁界の検出を可能にするために、装置は磁気シールドルーム内に設置されており、超伝導量子干渉素子(SQUID)を用いて脳磁界を測定します。同装置では151個の SQUID センサーがヘルメット状に配置されており、頭部全体の磁界計測を行うことができます。また同時に 64ch の脳波を測定することが可能です。 近い将来、MEG は fMRI 等の他の脳機能の画像化手段と共同して、脳における情報処理の理解に大きく貢献することが期待されています。