理研BSIニュース No.27(2005年2月号)

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トピックス


BSI池の端研究棟完成

2004年3月、BSI西研究棟の隣に脳科学総合研究センター池の端研究棟が完成しました。延床面積は約5,100m2。1階は玄関ホールと既存の廃水処理施設。2階は飼育室・実験室など。3階は会議室・研修室と実験室からなります。現在は、発生遺伝子制御研究チームが、昨年の夏にプレハブ棟からゼブラフィッシュを移送し、研究に携わっています。また、4月からは、高次脳機能発達研究グループの生物言語研究チーム(岡ノ谷一夫チームリーダー)と、神経回路メカニズム研究グループの新研究ユニット、津本研究ユニット(津本忠治ユニットリーダー)が池の端棟で研究を始めます。さらに、ナショナルバイオリソースプロジェクトの中核機関として、日本全体のゼブラフィッシュ研究の発展にも貢献していきます※。

※参考サイト:NBRP Webサイト




第7回RIKEN BSI RETREAT

2004年10月4日~6日の3日間、森林公園ホテルヘリテイジで第7回RIKEN BSI RETREATが開催されました。


リトリートは、お互いの研究成果あるいは研究内容について、研究室の枠を取り払い、隣の研究室や異なった分野の研究者同士が打ち解けた雰囲気の中で議論や建設的な反論をするためのもので、北米やヨーロッパの大学や研究機関では一般的に行われています。


今回で7回目を迎えたリトリートには、RIKEN-MIT脳科学研究センターからの参加者を含む約350名の研究者が参加し、約320のポスター発表が行われました。


今回もまた、UCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)との研究交流の一環として、今年はArturo Alvarez-Buylla教授を迎え、特別講演が行われました。


コミュニケーションタイムではRIKEN-MIT脳科学研究センターの利根川進センターディレクターを中心とするセッションをはじめ、4つの分科会に分かれて活発な議論、熱心な質疑応答が繰り広げられました。今回も、研究分野を超えて活発な議論が展開され、お互いの研究に刺激を与えました。



日韓中印ワークショップ(NBNI)の開催

インドの歴史と文化を学ぶ目的で開催された、世界遺産タージマハールへのエキスカーション

アジア地区で脳科学を連携を推進する目的で、日本の理研BSIと韓国のKAIST(韓国科学技術院)が話し合って、Neurobiology and Neuroinformaticsと名付けるワークショップを創始して7年が経ちました。これはその後、中国、インドを加え、年に一度各国で開催する脳の実験科学と理論科学を結ぶ定期的な交流の場となりました。


第7回に当たる今回はインドでの開催となり、デリー郊外のインド国立脳科学研究所およびその近くのホテルで、2004年11月18~20日に開催されました。4ヵ国から、24の研究発表、パネルディスカッション、ポスターセッションが行われ、理論と実験をつなぐ場として、また各国の研究の最新の情報を交換し討議する場として、大いに盛り上がりました。


アジア地区は、歴史的文化的に多くの共通点をもつものの、経済的発展ではその進度に差が見られます。しかし、近年この差が縮まり、互いに協力して、アメリカ、ヨーロッパと並ぶ第3の極を形成しながら、世界の一翼として協力して行こうとする姿勢が鮮明になってきました。日本は、そのリーダーとしての役割を担っています。このワークショップも、理研BSIが主導し、大きな成功を収めました。



“脳の発達と生涯にわたる学習”に関するネットワーク(LLLN)会議の開催

2005年1月21日と22日の両日、“脳の発達と生涯にわたる学習”に関するネットワーク(LLLN、後援:文部科学省、共同管理:経済協力開発機構(OECD)、理研BSI)の最終会議に参加するため、脳科学者や教育専門家たちがBSIに集まりました。このネットワークでは、生涯学習に関する脳研究の発展に伴い、教育政策と教育実践についてより優れた情報提供を行うための方法を探究しています。本年の会議はBSIの主催により、理研和光研究所で開かれました。


本会議の主要な目標は、生涯学習という目的のもとに集められた広範囲なテーマをどのようにしてまとめるかを決定することでした。OECD-CERI責任者のトム・シュラー氏は、これらのまったく異なったグループの話し合いの中から新しいアイデアが生まれる、という期待を表明しました。 伊藤正男BSI特別顧問も、BSIの最新研究テーマについて、新しい研究分野がこのような対話によってどのように可能になっていくかを示しました。


本年の会議は、教育専門家や神経科学者の集団的知識や基本的疑問を引き出し、それらの疑問を将来の発展のために具体化していくことを目的として構成されました。この結果は、OECDの“脳の発達と学習”計画のメンバーにより、“読み書き能力”と“算数能力”に関する他の2つのネットワークによる提案と組み合わされることになります。OECDは、これらのネットワークがまとめた文書を2006年に発行する予定です。



理研和光研究所一般公開のご案内

  • 入場無料
  • 日時: 2005年4月23日(土)9:30~16:30
    (入場は16時まで)
  • 問合せ先:理化学研究所 広報室
    (Tel:048-467-9954)
    ※お車での来場はご遠慮下さい。

理研BSIニュース No. 27 (2005年2月号)の記事



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