理研BSIニュース No.22(2003年11月号)

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トピックス


BSI サマープログラム2003の開催

BSI サマープログラム2003
BSIサマープログラム2003

今年もBSIサマープログラムが開催されました。サマープログラムはインターンシップコースとレクチャーコースで構成され、毎年、世界各国の多数の大学、研究所から参加があります。今年も世界14ヶ国から約45名が参加しました。


インターンシップコースの参加者は、約2ヶ月間BSIの受入れラボで実際に研究をおこない、連日技術の取得や実験に切磋琢磨していました。コースの最後には、BSI滞在中におこなった研究成果の発表会を行いました。


2003年7月30日から約2週間にわたり国内外から著名な講師を招いて開催されたレクチャーコースの今年のテーマは、"Nurturing the Brain"で、『脳を育む』領域に関係する、広範囲な演題をとりあげました。この領域は、比較的新しい研究領域で、BSIでも世界のながれにそって、『脳を育む』領域を立ち上げたところです。今年のレクチャーコースの講師や参加者は生物学専攻から心理学専攻まで多岐に渡っていました。最先端の研究内容の講演に、参加者やBSIの研究者から次々と質問の手が挙がり、活発なディスカッションがおこなわれました。また、参加者によるポスターセッションや研究室訪問をとおして、参加者とBSIのメンバーの研究交流が促進されました。


これまで何人ものサマープログラム講師や参加者がその後BSIに就職していますし、サマープログラム参加者によるネットワークも世界中に広がりつつあります。今後もサマープログラムの開催を通じて、BSI研究者と日本や世界各国の研究者との意見交換やインタラクション、さらにはコラボレーションの機会を提供し、今後の世界の脳科学の発展の一翼を担う研究者の育成と同時にBSIの質的向上を通して世界の脳科学に貢献していきたいと思います。


来年度のサマープログラムは、"Learning and Memory: Systems, Theories, and Molecules"というテーマで現在企画中です。講師陣、実施概要、募集要領等はBSIのホームページ (http://www.brain.riken.jp/)に掲載する予定です。ぜひご覧になってください。




独立行政法人理化学研究所新理事長に野依良治氏就任

野依良治氏
1938年9月3日、兵庫県生まれ。京都大学工学部卒業。工学博士。名古屋大学理学部教授、同大学大学院理学研究科長・理学部長。この間、文部省学術審議会委員、日本学術振興会学術顧問、日本化学会会長等を務める。00年に文化勲章、01年には「触媒による不斉合成」の業績によりノーベル化学賞を受賞。65歳。

1958年(昭和33年)10月に特殊法人として発足した「理化学研究所」は、2003年10月1日より「独立行政法人理化学研究所」として新たにスタートしました。新理事長には野依良治氏(2001年ノーベル化学賞受賞)が就任し、「独創性・創造性豊かな科学研究及び、科学的知識にのっとった科学産業技術を育くむ理研精神を皆と協力して発展させるための環境整備をしたい…」と抱負を語りました。また、2003年10月16日(木)にはBSIを視察し興味深く、各研究者の説明に耳を傾けていました。




実験動物慰霊祭行われる

実験動物慰霊祭
実験動物慰霊祭

去る2003年10月20日(月)、今年で14回目の「実験動物慰霊祭」が脳科学総合研究センター西研究棟となりの「動物慰霊碑」の前で執り行われました。脳科学総合研究センターをはじめとする理研和光研究所の研究者等が慰霊碑を囲み、動物実験実施要領に基づき研究に供された動物の霊を慰めました。



2003年理化学研究所科学講演会

2003年理化学研究所科学講演会
2003年理化学研究所科学講演会

去る2003年10月30日、東京国際フォーラム(東京-有楽町)に於いて、恒例の理化学研究所科学講演会が開催されました。今回の講演は、脳科学研究をテーマとし、1200名を越える聴衆で客席が埋めつくされる盛況の中、野依良治理化学研究所理事長の挨拶に始まり、BSIを代表する3名の講演が行われました。最初は利根川理研-MIT脳科学研究センター長による、「学習と記憶の機構」と題するノックアウトマウスを使って調べた脳の高次機能である学習と記憶の仕組みについての自身の最近の研究についての講演、続いて伊藤特別顧問による「脳の設計図は果たして読めるのかー脳科学の夢」の演題のもと、膨大な数と何種類もの神経細胞が脳の各部に張り巡らせて作る神経回路網の設計図の意味を解き明かそうと繰り広げられる脳科学の果てしないチャレンジについての話、最後に甘利脳科学総合研究センター長による「21世紀の脳科学」と題する、脳科学が生物科学・情報科学・人間科学などを融合した学際的な科学へと発展してゆくことが脳を理解し人間を理解することにつながるのだという話しで講演をしめくくりました。この後、熱のこもった質疑応答がつづき脳科学に対する人々の関心の強さが伺われました。




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