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田中 啓治チーム メンバー紹介

認識、意志決定などの高次脳機能の脳内メカニズムを明らかにするため、霊長類実験動物にいろいろな認知的課題を訓練し、脳の部分破壊の影響を調べたり、課題遂行中に神経細胞活動記録を行なう実験と、4テスラMRI装置でヒト被験者の脳活動を非侵襲的に記録する実験を行なっています。
メンバーの7割が日本以外の出身であり、研究室では英語だけで研究活動を行なっています。

状況の素早い理解と直観による解答の案出はボードゲームを含む多くの分野での達人技の重要な要素です。私達のチームでは、将棋における盤面の素早い認識および直観による最善手案出の脳内機構を、機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を使って研究しています。

研究者のプロフィール

リーダー:田中 啓治

大阪大学基礎工学部生物工学科の3期生。修士課程を修了した後、日本放送協会放送科学基礎研究所で視覚認識の研究の従事。その間に論文提出により東京大学医学部から博士を取得。
1989年に理化学研究所へ国際フロンティア研究システムのチームリーダーとして移動し、それ以来、理化学研究所で脳科学研究に従事。視覚認識から行動の高次制御に研究内容を拡大し、また1996年には4テスラのヒト用磁気共鳴画像装置を設置して、実験動物での研究からヒト被験者での研究に研究手法を拡大して研究を進めている。

 
メンバー:万 小紅

認知機能表現研究チームの万 小紅です。
2006年東北大学で工学博士を取ってから、理化学研究所で脳の研究を進めています。将棋プロジェクトとの出会いは全く偶然でしたが、自分に与えられたこの課題に真剣に取り組んでいます。始めた時にはこんなに長く続けられるとは思いませんでした。私自身では継続できたのは、研究者としての責任感と未知への探求欲だと思っています。このような研究機会は極めて珍しい、将来的にも少ないと思うからです。将棋を用いて、プロ、或は達人の技は脳の中のどこに隠れているのか? 直観、そしてひらめきというような人間に特有な知恵は、一体どこから生み出されるのか? それらの謎を解明するために、たくさんのプロ棋士に将棋問題を解きながらの機能的磁気共鳴画像計測に協力していただきました。
これからも一歩一歩努力していきたいと思っています。

 
 
独立行政法人 理化学研究所 脳科学総合研究センター 将棋思考プロセス研究プロジェクト(将棋プロジェクト)