理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)
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Do you“脳”? 脳に関する基礎知識

脳の進化

脳は新たな機能を加えながら進化する

生物の進化とともに、脳も進化してきた。そして、脳は、基本構造が変化するのではなく、新しい機能が付け加わるように進化してきた。つまり、ヒトの脳の進化を知ることは、生物の進化を知ることにつながるのだ。高度な情報処理が可能なヒトの脳ができるまでには、どのような進化の道のりを歩んできたのだろうか。

はじまりは、小さなチューブ

脳の進化の様子

脳の形成は、長さ2mm、直径0.2mmほどのチューブである「神経管」から始まる。神経管の内側で多くの細胞がつくられ、神経管が膨らむことにより、脳がつくられるのだ。この神経管はどの脊椎動物でも共通に出現する。脊椎動物の脳は、どの生物種でも基本構造は同じで、「脳幹」「小脳」「大脳」から成る。

魚類・両生類・爬虫類

魚類、両生類、爬虫類では、脳幹が脳の大部分を占めている。脳幹は反射や、摂食、交尾のような本能的な行動をつかさどる。魚類と両生類では、大脳には、生きていくために必要な本能や感情をつかさどる「大脳辺縁系」しかない。進化的に古い大脳辺縁系は「古皮質」と呼ばれる。

鳥類・哺乳類

鳥類や哺乳類になると、小脳と大脳が大きくなり、特に大脳が発達し「感覚野」「運動野」といった「新皮質」が出現する。

霊長類

霊長類になると、新皮質がさらに発達して大きくなり、「連合野」が出現し、高度な認知や行動ができるようになる。ヒトでは、新皮質が大脳の90%以上をも占める。

脳は新たな機能を加えながら進化してきた

赤色:大脳、黄色:小脳、緑色:間脳、青色:中脳、茶色:延髄、オレンジ:嗅脳(嗅球など)

間脳と中脳、延髄を合わせて脳幹と呼ぶ。ニホンザル、チンパンジー、ヒトでは、大きく発達した大脳が間脳と中脳を覆っている。

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