理化学研究所 脳科学総合研究センター(理研BSI)
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脳科学の人 研究者インタビュー

本多武尊

本多武尊コラム

Name 本多 武尊(ほんだ たける)
Position 客員研究員
Education 電気通信大学(工学博士)
BSI Lab 行動遺伝学技術開発チーム
http://bgshige.brain.riken.jp/

代表的研究小脳がカギを握る運動制御の解明

スポーツをするとき、特にサッカーや野球などの球技において、ボールをコントロールすることの重要性について、みなさんよくご存知だと思います。今までの研究によると、人間や動物が行う運動制御では、小脳が重要な働きをしていると言われています。私たちの研究グループでは、運動制御は運動の「大きさ」を制御することと、運動の「タイミング」を制御することから成り立っているという仮説を立てました。タイミングを制御するためには、小脳の中の細胞たちが時計のような役割をする必要があります。我々はコンピュータを使った研究により、運動をするときは、実際に小脳の細胞たちが時計のような役割をしており、運動せず休んでいるときには、細胞たちは時計のような役割をしていない、ということを証明しました。つまり細胞は、いつも一生懸命に働くのではなく、必要に応じて機能したり、うまく休んだりしているのかもしれない、ということがわかりました。
最近では、医師たちと協力し、運動制御に重要である小脳が萎縮してしまう病気(脊髄小脳変性症)の患者様たちの運動機能について調べ、治療法の開発を目指しています。さらに、運動制御のメカニズム全体についても調べています。これがわかることによって、例えばスポーツにおける効率的な練習方法などがわかるかもしれません。

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